目次
- 1.はじめに:賃貸物件の家賃設定の基本
- 2.安い理由:インターネットの情報で分かる
- 3.安い理由:現地に行ったら分かる
- 4.安い理由:告知事項ある
- 5.まとめ:安い物件を選ぶ際の注意点
1.はじめに:賃貸物件の家賃設定の基本
賃貸物件を探す際、「家賃」は最も重要な要素の一つです。
でも、その家賃がどのように決められているのでしょうか?
実は、賃貸物件の家賃設定には、主に3つの基本ポイントがあります。
・立地:エリアや駅からの距離など
- ・広さ:平米数や間取りなど
- ・築年数:新築からどれくらい経っているか
これらの要素に加えて、その地域の家賃相場も大きく影響します。
詳細な家賃相場に関する情報は、[SUUMO]や[HOME'S]などの不動産サイトを参考にしてください。
長年積み重ねられてきた相場があるからこそ、極端に高すぎたり安すぎたりする物件は少ないのです。
しかし、時々「え?この条件でこの家賃?安くない?」という物件に出会うこともあります。
そんな物件には必ず「安い理由」があります。
その理由を知らずに契約してしまうと、後々大きな後悔につながる可能性があります。
そこで今回は、家賃が安い本当の理由を10個ご紹介します。
これを知っておけば、お得な物件と注意物件を見分けられるようになりますよ!
2.安い理由:インターネットの情報で分かる
まずは、ネット上の情報だけでも分かる安い理由を2つ紹介します。
物件探しの第一歩であるネット検索で、これらのポイントをチェックしておきましょう。
①5階最上階だがエレベーターなし
築年数が古めの5階建てマンションでエレベーターがない物件を見かけたことはありませんか?
これは家賃が安くなる大きな理由の一つです。
・なぜ安くなるの?
- ・毎日の階段の上り下りが大変
- ・買い物帰りや大きな荷物の運搬が困難
- ・高齢者や体力に自信のない人には不向き
・でも、メリットもあります!
- ・上階なので日当たりや眺望が良いことが多い
- ・階段利用で自然と運動不足解消
- ・下階からの騒音を気にしなくて良い
【初心者向けアドバイス】
エレベーターの有無は、設備欄や備考欄に記載されていることが多いです。必ずチェックしましょう。
- また、3階までならエレベーターなしでも許容できる人が多いですが、4階以上になると敬遠されがちです。自分の体力や生活スタイルと相談して決めましょう。
②平米数が広いが玄関・廊下・脱衣所が広すぎる
「広い物件なのに安い!」と思ったら要注意です。
総面積は広くても、実際の居住空間が狭い場合があります。
- ✔チェックポイント
- ・玄関が必要以上に広くないか
- ・廊下スペースが広すぎないか
- ・脱衣所やトイレが無駄に大きくないか
- これらのスペースが広すぎると、その分リビングや寝室が狭くなります。
【初心者向けアドバイス】
間取り図をしっかりチェックしましょう。各部屋の寸法を参考にすれば、より正確に判断できます。
また、同じ平米数の他の物件と比較してみるのも良いでしょう。
結果として、同じ平米数の他の物件と比べて使い勝手が悪く、家賃が安くなっています。
3.安い理由:現地に行ったら分かる
次は、実際に物件を見学しないと分からない安い理由を3つ紹介します。
ネットの情報だけで判断せず、必ず現地に足を運んでチェックしましょう。
①南向きなのに日当たりが悪い
- 南向きの物件なら日当たり抜群!…と思いきや、周辺環境によっては南向きでも十分に日光が入らない場合があります。
- ・日当たりが悪くなる原因
- ・目の前に高い建物がある
- ・周囲に大きな木々がある
- ・建物の構造上、日光が入りにくい
日当たりの悪さは、冬場の寒さや湿気の問題にもつながります。
エアコンの使用頻度が高くなり、光熱費の増加にも影響を与えるかもしれません。
【初心者向けアドバイス】
物件見学は、できるだけ晴れの日の昼間に行きましょう。- 室内の明るさをチェックし、窓からの景色も確認してください。また、Google Earth等の衛星写真で周辺環境を事前にチェックするのも有効です。
②駅徒歩10分だが急な坂道
「駅徒歩10分」という好条件なのに安い物件。その理由は、急な坂道にあるからです。
- 坂道物件のデメリット
- ✔日々の通勤・通学が大変
- ✔買い物帰りの荷物運びが困難
- ✔雨や雪の日は危険
特に高齢者や小さな子供がいる家族には、大きな負担がかかります。
【初心者向けアドバイス】
物件見学の際は、必ず最寄りの駅まで歩いてみましょう。Googleマップのストリートビュー機能を使用すると、事前に坂道の状況を確認できます。
また、自転車通勤を考えている場合は、上りの坂道でも問題ないか確認しましょう。
③空室期間が長く管理されていない
長期間空室だった物件は、家賃が安くなっていることが多いですが、その間に管理状態が悪化している場合があります。
- 管理不足のサイン
- ✔カビや湿気のにおいがする
- ✔換気が十分でない
- ✔水回りに水垢やサビが目立つ
- ✔虫の発生
これらの問題は、入居後の快適な生活に大きく影響します。また、建物全体の管理状態も確認が必要です。
【初心者向けアドバイス】
物件見学時は、臭いや空気のよどみに敏感になりましょう。水回りはもちろん、窓や換気扇の動作確認も忘れずに行ってください。気になる点があれば、入居前に清掃や修繕が可能か確認しましょう。
4.安い理由:告知事項がある
最後に、不動産が事前に告知する必要がある事項があり、それが理由で家賃が安くなっているケースを3つ紹介します。
これは契約前に必ず確認すべき重要な情報です。
具体的な事例や法的な背景については、[総務省統計局](https://www.stat.go.jp/)や[国土交通省](https://www.mlit.go.jp/)のデータ、および『賃貸住宅トラブル完全対応ガイド』(日本法令)などの書籍を参考にすると良いでしょう。
①物件周辺に嫌悪施設
周辺環境も家賃に大きく影響します。特に、「嫌悪施設」が近くにある場合、家賃が安くなることがあります。
- <嫌悪施設の例>
- ・スナックやカラオケ店(深夜の騒音問題)
- ・風俗店(治安やイメージの問題)
- ・葬儀場(心理的な抵抗感)
- ・ゴミ処理施設(においの問題)
これらの施設の存在自体が問題ではありませんが、生活に影響を与える可能性があり、事前の告知が必要になります。
【初心者向けアドバイス】
物件情報の注意事項や特記事項をよく確認しましょう。また、実際に物件周辺を歩いてみて、気になる施設がないかチェックすることをおすすめします。自分の生活スタイルと照らし合わせて、許容できるかどうか判断しましょう。②建物に構造的な問題がある
- 建物自体に問題がある場合も、家賃が安くなる理由になります。
- <チェックポイント>
- ✔建物の傾き
- ✔壁や床のひび割れ
- ✔建物の沈下
これらの問題は、安全性と快適性に直結する重要な要素です。
特に地震の多い日本では、建物の構造上の問題は見過ごせません。
【初心者向けアドバイス】
物件の見学時は、壁や床、天井のひび割れに注意しましょう。- ドアの開閉具合や床の水平性なども確認するようにしてください。
- 不安な点があれば、建物の耐震性や過去の修繕履歴について不動産会社に質問してください。
③トラブルになりそうな入居者がいる
- 最後に、現在の入居者に問題がある場合です。特に、騒音トラブルの場合、事前告知の対象となり、家賃が安くなることがあります。<トラブル例>
- ・隣室の入居者が音に敏感で苦情が多い
- ・上階の入居者が深夜まで歩き回る
これらの問題は、入居後の生活の質に大きな影響を与えます。
特に在宅勤務が増えた昨今、騒音問題はより深刻になっています。
【初心者向けアドバイス】
物件情報の特記事項や注意事項をしっかり確認しましょう。
また、可能であれば平日・休日の異なる時間帯に物件を訪れ、実際の音環境を確認することをお勧めします。
壁の厚さや防音性能についても不動産会社に質問しましょう。
5.まとめ:安い物件を選ぶ際の注意点
ここまで、家賃が安い本当の理由を10個ご紹介しました。魅力的な低家賃に惹かれるのはもっともですが、その背景にある理由をしっかり理解することが大切です。
最後に、安い物件を選ぶ際の注意点をまとめます。
①ネット情報だけでは判断しない
- ・写真や間取り図だけでなく、設備情報や特記事項もしっかりチェック
- ・必ず不動産会社に問い合わせる
②必ず現地見学を行う
- ・可能であれば複数回、異なる時間帯に見学する
- ・周辺環境も含めてチェックする
③自分のライフスタイルを考える
- ・通勤・通学の利便性
- ・料理の頻度(キッチンの重要性)
- ・在宅時間の長さ(騒音問題の影響度)
④長期的な視点で考える
- ・今後の家族構成の変化
- ・キャリアプラン
- ・将来の引っ越しの可能性
⑤総合的なコストを計算する
- ・家賃だけでなく、光熱費や管理費も含めて考える
- ・利便性の低さによるコスト(交通費など)も考慮する
⑥契約前に再度確認
- ・気になった点は必ず契約前に解決する
- ・口頭の約束は書面で確認する
安い物件が必ずしも悪い物件とは限りません。
中には本当にお得な掘り出し物もあります。
大切なのは、なぜその物件が安いのかをしっかり理解し、自分にとって許容できるものを選ぶことです。
この記事で紹介した理由を参考に、ぜひ物件選びに役立ててください。
家賃以外の要素もしっかり吟味して、快適な賃貸生活を送りましょう!