怪しい不動産会社は、最初の5分で見抜ける|20年以上現場にいる私が“危険サイン”を全部話します
不動産会社はほとんどが誠実。でも、ごく一部に“怪しい会社”が存在します。
不動産会社はコンビニよりも多いと言われるほど、各駅に何社もあります。大半は真面目で、あなたの部屋探しを失敗しないよう真剣にサポートしてくれます。
ただ、数が多い以上「マナーが悪い」「上から目線」「何も知らないことをいいことに話を進める」といった、怪しい会社や営業担当がいるのも事実です。
ここで大事なのは、不動産会社=悪ではないということ。今回の内容は「出くさないのが一番」ですが、知っておけば事前に回避できたり、遭遇しても距離を置けるようになります。
まずは誤解されがちな「判断材料にならないこと」

① 免許番号が大きい=安心、ではありません
不動産会社の免許番号にある数字(例:大阪府知事(◯))は、5年ごとの更新回数です。数字が大きいほど長く宅建業を続けている会社、という意味になります。
ただし「数字が大きい=安心」とは限りません。長いことグレーなことをやり続けている会社もあれば、ブラックな会社が嫌になって立ち上げた若い会社もあります。
免許番号の「1だから不安」「5だから安全」と鵜呑みにせず、表面の数字に惑わされず中身を見ることが大切です。
② 路面店は安心・空中店舗は危険、は昔の話
1階の路面店(路面店)と、ビル2階以上の店舗(空中店舗)で判断する考え方も、一昔前の話です。今はネットで探す時代で、必ずしも1階に店舗を構える必要はありません。
実際、路面店でも「予約なし対応不可」と掲示していたり、予約なしで行くとスタッフが忙しく、営業ではなく事務スタッフが対応するケースもあります。
立地や階数を強く主張してくる場合は、いわゆるポジショントークの可能性もあるので、ここは過度に気にしなくて大丈夫です。
訪問前に「ネット」で見抜ける怪しいサイン

① 物件掲載件数がやたらに多い
物件数が多いと「たくさん取り扱っている」と思いがちですが、問い合わせると「それはもう募集が終わりました」が続くことがあります。
物件が募集中かどうかの確認・更新は手間がかかるため、メンテナンスが追いつかず掲載しっぱなしになることもあります。結果として“おとり”のような状態になってしまうわけです。
検索で「同じ不動産会社の掲載ばかり目につく」と感じたら注意して見てください。
② 物件情報が曖昧(物件名が出ない/入居可能日が「相談」)
物件名が出てこないケースには理由があることもあります。たとえば大家さんの事情で「他の入居者に知られたくない」など、配慮が必要で物件名を伏せることも稀にあります。
ただ、それ以外で物件名を出さない場合は注意が必要です。問い合わせをすると「すでに決まっています」が出がちです。
また「入居可能日:相談」も、掲載しっぱなしの情報でよく見かけます。詳細欄の入居可能日をよく確認しましょう。
③ 誇大広告に注意
実際より著しく良く見せたり、誤解を与える表現を用いた広告は「誇大広告」として問題になります。不動産広告は特に厳しく、たとえば「最高」「一番」なども原則使えないとされています。
それでも「地域ナンバーワンの物件情報量」「ネットの全物件をご紹介可能」などを見かけることがあります。特に注意したいのはお金に関する“安い”の訴求です。
引っ越しは費用がかかるので「安い」に惹かれやすいのは当然です。でも、シンプルに考えてください。
安いのには理由があります。不動産のように大きな金額が動くものほど、安さには理由がある。興味を持ちすぎないように気をつけましょう。
問い合わせ段階で分かる違和感

① とにかくアポイントを取ろうとする
問い合わせ直後の返信がいきなり「いつ来れますか?」「◯日◯時と◯日◯時、どちらがいいですか?」というように、とにかく来店に誘導する場合は注意です。
一見親切に見えますが、まずは話をちゃんと聞いてくれるスタッフを見つけましょう。
② 来店が必須と言われる
気に入った物件が見つかったので、効率よく現地待ち合わせで内見したい。そうお願いしても「ご来店いただけないと内見できません」の一点張り。
このケースは高確率で“おとり物件”です。毎年のように聞く話なので、ここは強く警戒しておくのがおすすめです。
実際に訪問してから分かること

① スタッフ全体の身だしなみ
見るべきは担当者だけではありません。店内にいる全員を見渡すのをおすすめします。
紙(身だしなみ)が整っているか、爪が伸びていないか、無精ひげが目立ちすぎないか…など、清潔感があるかどうかです。
服装はスーツである必要はなく、ジャケットやポロシャツ、清潔感があればジーンズでも良いと思います。問題は「だらしなさ」です。
② 店内の整理整頓と匂い
不動産業界は紙の書類が多く、積み上げられていたり貼り付けられていたりすることもあります。
ただ、個人情報を預ける場として、あまりにも雑だと不安になりますよね。
そして入った瞬間に分かる匂い。特にタバコの匂いはNGです。そこで長時間打ち合わせをするのは本当にきつい、という声も多いです。
③ 言葉遣い
「この物件どうすか?」「これいいっすよね」など、言葉遣いが雑だと不安が増します。
担当者だけでなく、スタッフ同士や電話での会話にも“裏の顔”が見え隠れすることがあります。
④ 物の取り扱い(運転・内見中の扱い)
例えば車の運転。お客様を乗せる以上、安全運転が大事です。スピードを出しすぎる、ウインカーを出さない…などは気になります。
さらに内見時の室内の扱い方。物件は大家さんの所有物です。扉や窓の開け閉めが雑、スリッパを投げるように置くなど、当たり前の配慮ができないと、この先の契約の進め方にも不安が増幅します。
一度冷静に、依頼先を変えるべきか考え直すタイミングかもしれません。
SNS経由の不動産は特に注意

YouTubeやInstagram、TikTok、Xなどで不動産会社やスタッフが発信する時代です。便利ですが、怪しいアカウントも存在します。
個人が情報発信するだけならまだしも、そこから誘導するように設計されたチャンネルもあります。ここで大事なのは、その人(そのアカウント)が宅建業免許のある不動産会社の従業者なのかという点です。
仲介の仕事には「宅建士資格」ではなく「宅建業免許(宅建業の免許)」が必要で、誰でも簡単にできるものではありません。だからこそ、最低限の掲示があるかを確認する必要があります。
- 不動産会社名が載っているか
- 免許番号が載っているか
- ホームページURLが載っているか
- そのホームページが怪しくないか
これらが載っていないのに、公式LINEなどへの誘導だけが強い場合は危険です。無免許や名義貸しといった違反行為で仲介をしているケース、集客だけをして紹介料を渡すような“キャッチ行為”に近いアカウントも見かけます。
街中のキャッチは危険と感じるのに、SNS上のキャッチだけ安心なわけはありません。依頼している不動産会社がどこか分からない、どこに紹介されるか分からない――この状態は避けた方が安全です。
最後に:条件だけでなく「住んだ後」を想像するのもあり

本題が重い内容だったので、最後は少し気持ちを切り替える話です。住みたい街は「通勤」だけで決めなくてもいいと思っています。趣味の観点で「住んだら楽しそう」を考えるのもありです。どうしても部屋探しは条件や予算で窮屈になりがちですが、住んだ後のイメージや新生活がどんな感じになるかに重点を置くと、少し条件がズレても許容できたり、「シンプルに住みたい」という気持ちになりやすいです。
信用できる不動産会社・担当者と一緒に、素敵な物件が見つかるように進めていきましょう。











